2024年1月1日に起きたM7.6の能登半島地震。日々、状況が変化するため、独断での現地入りは控えて。
これからまだまだ続く厳しい冬。雪や雨などで、土砂災害や家屋倒壊の危険性が高まっているなか、被災地では懸命に救助活動や捜索活動が続けられている。被災地に想いを寄せつつも、その想いを無駄にせず、今わたしたちができることはなんだろう?
今できること、気を付けたいこと
多くの方々が被災地で支援を求めている。そんな情報がニュースで流れると、なんとかできないかと助けに行きたくなる気持ちで居ても立っても居られなくなる。でも、今あなたにできることは、現地に行くことではなく、適切な時期を待ちながら、準備をすること。
災害ボランティア参加の窓口となる各被災地のボランティアセンターでは、現在、ボランティアの募集を一時中止、終了、もしくはボランティア派遣の見込みがないとしている。現在募集をしている地域でも、被災地県内に在住している人のみの募集にとどまっている。刻々と状況の変わる現状を把握しておくことが重要。
まずは、以下、設置されている各市町村のボランティアセンターのホームページを確認して、最新情報を入手することから。
■現在設置されている新潟県・富山県・石川県の災害ボランティアセンターのボランティア募集状況
また、被災地では、道路の陥没や沈下が発生していて、危険な状態。緊急復旧活動が進められているものの、まだ道路が寸断されているところも多い。届けたい物資があっても、非常に時間がかかる状況。そのなかで、最も急がれているのは、被災者の方々の救援・捜索活動や被災地のライフライン復旧など、自衛隊、警察、医療従事者、支援団体などによる支援。わたしたちは、これらの活動の妨げになってはならない。ボランティア募集状況や物資支援に関する電話での問い合わせも極力、控えよう。
ボランティア活動受付が再開したときに備えて、わたしたちが準備できることはたくさんある。まず、(1)情報収集(2)服装や持ち物の準備(3)ボランティア保険への加入。
そのほか、下記のサイトが役に立つ。特に、「被災地に行く前に」項目内の動画「災害ボランティア活動の心得」を見ておくことをおすすめ。災害ボランティア活動を行うときの服装や心得ってどうすればいいんだろう?などの疑問に答えてくれる。
■東京ボランティア・市民活動センター「災害ボランティア活動に役立つページ」
あなたの想いをしっかり届けよう
被災地にいないわたしたちが今、すぐにできることは、寄付をすること。わたしたちの「助けたい」「力になりたい」という想いをしっかり届けるために、わたしたちの寄付がだれに、どのように、いつ使われるか理解したうえで、寄付先を決めたい。
支援金・義援金・ふるさと納税の違いは?
支援金とは
被災地で活動する団体に届くお金。現場のニーズに応じて、人命救助、インフラ復旧など緊急支援活動などのために、比較的すぐ活用される。
【支援金寄付先の例】
(1)中央共同募金会「令和6年能登半島地震の支援金」
(2) ジャパン・プラットフォーム「令和6年能登半島地震被災者支援」
(3)日本財団「令和6年能登半島地震への支援」
義援金とは
被災者の方々に直接届くお金。被災地の自治体に配分委員会が設置され、被災者の方々に公平・平等に配布される。配布までには一般的にやや時間を要する。
【義援金寄付先の例】
(1) 日本赤十字社「令和6年能登半島地震災害義援金」
(2) 中央共同募金会「令和6年能登半島地震災害義援金」
ふるさと納税による寄付とは
被災した自治体に直接届くお金。被災自治体の復興財源などに充てられ、復旧作業や今後の防災対策などに使用される。
【ふるさと納税寄付先の例】
(1) ふるさとチョイス災害支援
(2) ふるなび災害支援
(3) さとふる災害支援寄付
災害デマの被害者、加害者にもならないように
残念なことに大規模な災害の被災地では、窃盗や詐欺などさまざまな犯罪が確認されている。また、災害時に混乱を招いてしまうことの一つが、フェイクニュースや根拠のない噂などの災害デマ。SNSによって拡散されやすいだけに、よかれと思ったわたしたちの善意がデマの拡散につながっていないかなど発信には十分注意が必要。
偽情報の拡散は被災者へ負担を与えるだけでなく、無用な混乱、救助の遅れといった支援の妨げにつながることも。情報を安易に拡散する前に、その情報に裏付けがあるのか、発信元のアカウントは信頼できるのかを必ず、確認して。
被災地の復興の道のりは、おそらく長い。今わたしたちができることは、ボランティアに行く以外にもたくさんある。「最新の正しい情報を知る」「わたしたちの気持ちをしっかり届けられる寄付先に寄付をする」「ボランティア活動再開に向けて準備をする」など、被災地を支えるための行動をすることも、今いる場所からできるわたしたちの大事な役割。
いつか、わたしたちの手が必要になるときが必ずくる。そのときまで、被災地へ心を寄せ続けよう。
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